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散らばったトランプ

加藤健一事務所
「ジン・ゲーム」

第243回例会

 2026年7月8日(水)18:30開演 
​ けんしん郡山文化センター中ホール 

作:D.L.コバーン

翻訳:吉原豊司

演出:小笠原響

『ジン・ゲーム』ツーショットA.jpg

加藤健一、竹下景子

出演者

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あらすじ

 春。老人ホームのサン・デッキで出会ったフォンシア(竹下景子)とウェラー(加藤健一)。入居者や食事や看護師への愚痴で息の合う二人。 ホーム独特の空気感に馴染めない二人は、トランプ遊びを始める。時間つぶしがてら気軽に始めたゲームだが、初心者のフォンシア相手に全く勝てないウェラーは、対戦を重ねるごとに苛立ってきて…。  単純なトランプゲームが、孤独な老人たちの“ 単純ではない” 過去をあらわにする。セリフの応酬がおもしろい、チクリと刺さるビターコメディー。

解説

アメリカ生まれの劇作家D.L. コバーンが、わずか30代の時に執筆した処女作である。初演は1976年9月ロサンゼルス。翌年、ジェシカ・タンディーとヒューム・クローニンにより、ブロードウェイデビューを果たす。実生活では夫婦であるこの二人だが、当時、加齢と共に良い役が回ってこなくなった妻のために夫が発掘し、板に乗せたものである。このブロードウェイでの公演は大ヒットを記録し、計516回も上演された。1978年、ピューリッツァー賞を受賞。
『ジン・ゲーム』は、ひと昔前の会話がそのまま抜き出されたかのように台詞が自然と並び、また“ご高齢あるある”も多く、さらにコメディタッチで物語が進んでいくため、役者の技量と会話劇を楽しめる作品である一方、戯曲が持つ隠れた深みも感じることができる。例えば、舞台上の扉の向こうからは、他の入所者が家族と面会する賑やかな声が聞こえてくるが、実際に登場するのはフォンシアとウェラーの二人に絞ることで、彼らが孤独な老人であることがいっそう際立つ。そしてゲーム上のルールでは、カードが組になる条件は3枚以上だが、孤独な二人には誰もいない。研ぎ澄まされた戯曲だからこそ、そんなところにも作者の企みを発見できる作品でもある。

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