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《受賞理由》
実在の水俣病の患者家族をモデルにした作品で、世間の差別にもひるむことなく果敢に挑む強い女性、子供にあふれる愛情を注ぐ母親、夫に寄り添い引っ張る妻である杉坂栄美子をきめ細かく演じた。ドラマ、舞台の第一線で50年以上も活躍し、女優として積み重ねた経験が、見事に花開いた。泣き笑いに満ちた、圧巻の演技だった。
《ものがたり》
治らんもんには、慣れるしかない。
ばってん、治せるもんに、
慣れる訳にはいかんのじゃ、
わしらは...。
1993年水俣。あの忌まわしい事件から時を経て蘇った不知火海。
かって、その美しい海で漁を営み、多くの網子を抱える網元であった杉坂家は、その集落で初めての水俣病患者が出た家でもあった。…長く続いた差別や偏見の嵐の時代…
やがて、杉坂家の人々はその嵐が通り過ぎるのを待つように、チリメン漁の再開を決意する
長く地元を離れていた長男も戻ってきた。しかし…本当に嵐は過ぎ去ったのか?
家族の様々な思いを風に乗せて、今、船が動き出す…
生きとし生けるものすべてに捧ぐ、ある家族の物語
第224回例会
トム・プロジェクト公演
「風を打つ」
9月6日(火)18:30開演
けんしん郡山文化センター中ホール
作・演出 ふたくちつよし
出演・音無美紀子、太川陽介
高橋洋介、いわいのふ健、岸田茜
主演の音無美紀子さんはこの演技で第74回文化庁芸術祭賞演劇部門優秀賞を受賞しました
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